本展は大分出身の実業家、首藤晃良の約40年にわたる画業と蒐集した美術品を展覧するものです。首藤の絵画作品は、自身のコレクションである古美術のある空間を描いた作品や、人生の悲喜劇を演じるピエロを描いた創造力あふれる作品、そして家族との時間を記録する肖像画など多岐にわたります。本展ではそれらをテーマごとにまとめ、作品のモチーフにもなっている古美術や書画を絵とあわせて展示することで、幅広い観客に向けたものになっています。

今回出品の主に奈良時代から桃山時代の古美術には作家と呼ばれる作者は存在しませんが、制作者は確実に存在しています。それは作品とともに記名性を求められる現代と違い、無名であるがゆえに人間の中に無意識に存在するおおらかさや厳しさ、陶工や匠のその時代の声が隠されているようです。その声は音や情報として直接聞こえることはありませんが、じっくりと見入ると儚くもさまざまな声を発しているように感じてきます。それらの声を自己という人生のフィルターを通して、まるでスプーンで好きなものを掬っていくように、無欲で表現したものが今回の油彩絵画だと思います。皆様もこれらの絵画や古美術、コレクションの書画を通して、「きこえぬ声」を掬っていただきたいと思います。

最後になりましたが本展開催にあたり、ご協力いただきました関係各位に厚く御礼申し上げます。

(会場挨拶文より)

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