埼玉県中央区の住宅街に位置する、約50坪の角地に建つ戸建て住宅である。

境界には隣地住宅が押し迫っているため、できるだけプライバシーの確保できる東側に庭を配置し、ほどよく街に溶け込めるように道路角である北西面に玄関や駐車場を配置する計画とした。平面は水回りを中心とした「石の間」と生活空間を内包し、唐松の無垢フローリングを施した「板の間」の2つの正方形によって構成し、それぞれに切妻屋根を架けるだけの単純な構造とした。またそれぞれの平面、断面のスケールを変えることにより2つのヴォリュームを明確にし、その2つを通して単純ながらも立体的な回遊性のある構成とした。このヴォリュームを明確に維持するため道路斜線に天空率を適用した。

開口部は南側に配した大きな型ガラスをフィックスにしたハイサイドにより1日の移ろいを静粛な室内に導くとともに、庭を眺める窓、通風の窓などを適切に配置することによりこの建物を性格付けた。

空調は屋根裏収納を冷房チャンバーとして利用し、冬季は床下エアコンによりベタ基礎を蓄熱層とすることにより一年中優しい室内環境を体感できるようにした。


動きのある自然光や庭、街ののうつろいを、限定された幾何学のボリュームの室内に導き選別していく窓と壁の構成に注力した結果、閑静な生活と家族を守る家になったと思う。


 

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