東京目白の住宅街に位置する、約30坪の敷地に建つ戸建て住宅である。

隣地両側に3,4階のビルが建っているため、できるだけ開口部を南側に配置した裏庭に面する計画とした。平面は建物の主要部を正方形の中に納め、その中心に民家の象徴である大黒柱を配置し、裏庭を囲むように長方形のボリュームを連続させる単純な形態とした。シンプルで幾何学的なその平面とのコントラストと視覚的奥行きを仕掛けるため内部は大黒柱を中心としたスキップフロアとし、静的な平面に動的な断面構成とし大小の吹抜を通して狭いながらも空間の回遊性をもたせた。開口部は、庭を眺める窓、季節の光を取り入れる窓、通気のための窓と性格を分け適切に配置することにより、明るいながらも落ち着きのある自然光を体感できるようにした。また広めの床下収納やさまざまな窓をもった「居場所」を確保し、アクティブな家族生活の中で個が主役でいられるように配慮した。デティールは既製品のアルミサッシやブラインド、感知器など極力雑多なものを目立たなくするよう心掛けて設計した。


庭の木々が生い茂り、天窓と高窓から降り注ぐ光が季節と時刻を刻み、大黒柱が生活の中に溶け込んだとき、家族の成長と静謐と共にこの住宅の本質を体感できると思う。

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