東京港区の狭小地に位置する専用住宅である。

都市部によくある建物が込み入った敷地の特性上、周辺環境に対して期待できる「抜け」を確保できないため中庭を配するプランとした。また都心部であることから、遮音、断熱、有効面積を考慮しRC壁式構造、外断熱工法を採用した。

複雑な法規上の斜線制限がかかるため最大限の容積を無理なく確保すべく、部屋のボリュームを積み上げたような形態とし、各ボリュームに個性とある程度の閉塞性を持たせ、個人のアイデンティティや各部屋の役割を明確にし、充実させた。

各部屋を繋ぐ動線は狭いプランながら方向性や高低差を複雑にし、テラスや階段を利用し、立体的な回遊性やリズムをもたせることにより奥行きを出した。また素材は経年の変化を味わえるように、洗い出しによる左官材をメインに用い、サッシもすべて形鋼によるスチール製とした。


経年とともに左官壁やサッシが侘びてきたとき、植栽の有機的な形態と共にただ白いボリュームが都市に浮かび上がり、この建築の本質がみえてくると思う。

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