東京湾岸部のビル1フロアのバレエスタジオへの改装である。

自分自身を映し出す「巨大な鏡」をスケルトンの中にモノリスのように独立して配置することにより、前面をスタジオに、背面を更衣室や控え室などのバックヤードとしてシンプルにまとめた。鏡背面は舞台に出る緊張感をダンサー達に感じさせるよう、また鏡背面を展示壁として利用できるように狭いながらも細い、奥行きのある廊下を設けスタジオまでの動線とした。

身体を究極的に研ぎすませたダンサーたちはその存在だけで空間を構成する「主役」となるため、小さな舞台であるスタジオは極力デティールや設備、色彩を排除した構成とした。


ダンサーの分身が鏡という限定された世界で舞う姿は、写真では表現できないほど美しい。これが人と空間の関わりの原型だと感じる瞬間である。

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