この計画は、大分駅南地区の土地区画整理事業と大分駅周辺の線路高架化事業のための有床医院建直し計画で、街区計画の「GATE」にあたるためシンボル的な存在の建築が求められた。また新しい町並みを作るためのデザインとしてバナキュラーな個性と新街区への意味付けが求められた。

新街区では道路が拡幅され全く新しい道路がグリッド状に引かれるため、建築はこれに呼応すべく一定の規則的なモジュールにより設計された。この秩序をもったモジュールは立体的にも各層ごとにリズムと素材を与えられる。各層は大梁によって分離され、それぞれが規則に従った柱や壁、素材をもって構成される。

1層は大分市の城下町としてのイメージ(府内城の石垣や石仏などの石文化や臼杵の石垣など)や辰野金吾氏の赤煉瓦館(登録文化財)に代表される組石をイメージすべく、本レンガ積みによるファサードとし、アイレベルでの街区への寄与と基壇としての1層を表した。

2層は杉型枠によるRC打放シによって表現されている。かつて磯崎新氏の県立図書館(現アートプラザ)が府内城の石垣にフレームとして呼応していたように、1層に対しての呼応表現とすることにより都市の積層を表現している。柱間は杉板による表現とし各素材の経年による建築の1体化を目指す。

3層はRC打放シによる表現であるが、2層が街路樹によりプライバシーが確保されるのに対し向かいの建築の高層化によりプライバシー確保を壁の見込みによって解決した。結果としてスリット開口ができ、その光は内部にまで規則性を及ぼす。

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