自然環境の中で木々や動物たちがすくすくと育っていくように、長い人生の中で都市生活環境のしめるデザインの重要性はますます見直されるべきだと思います。
都市を構成するひとつひとつの建物ができることは限られてきますが、ただむやみに機能性や利便性を追求するのではなく、そこにいる人々が何かを考えたり感じられる環境や空間をデザインすること、自然と同じように時間を経て完熟していくデザインを目指していくこと、そして地域に貢献できるようなデザインを施していくこと。これらを目指してそれぞれの専門家との議論を交わしながらかたちにしていきました。
たとえば人々の交流を自然に生む小広場や空間の余白、天候や時間の経過とともに素材感の変化する基壇部分、道行く人々にタワーの圧迫感を与えない高層部分の構成や落ち着いた色彩計画、住空間と商空間を連携させ都市生活を持続的に営めるような構成など、新しいアイデアや工夫を随所にちりばめています。
(2004年 クラシオン西新パンフレットより抜粋 KOSUKE SHUTO ©2014 ALL RIGHTS RESERVED.)